Month: December 2019

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性器ヘルペスの治療薬であるバルトレックスとは

人間のヘルペス感染症は、単純ヘルペスウイルス1型及び2型や水痘・帯状疱疹ウイルスなど8種類のヘルペスウイルスが発症原因とされています。 多くの医療機関ではヘルペス感染症の代表とも言える性器ヘルペスや口唇ヘルペスの治療にはバルトレックスを薬物療法の第一選択薬として処方されています。 バルトレックスは、DNAポリメラーゼ阻害薬アシクロビルのプロドラッグのバラシクロビルを主成分とした副作用の少ない抗ウイルス薬です。 バラシクロビルは、全身への医薬成分の循環効率を示すバイオアベイラビリティが点滴や静脈注射に比べて10%~20%と非常に低くなっています。 1日あたりの服用回数が多い問題点のあるアシクロビルの分子骨格に必須アミノ酸のバリンを結合させた事によりバイオアベイラビリティが点滴や静脈注射の約55%程度まで上昇します。 低用量でも充分な抗ウイルス効果が得られる様に改良された治療薬です。 抗ウイルス薬のDNAポリメラーゼ阻害薬は、感染患部に移行する医薬成分濃度の高さよりも必要最低限の医薬成分濃度をより長く維持する必要のある時間依存性の治療薬です。 低用量でも充分な医薬効果が得られる事で、従来の治療薬では1日あたり5回程度必要だった服用回数がバルトレックスは1日あたり2回程度に減少しただけで無く、服薬量が少なくなった事で副作用の発症頻度も減少しています。 バルトレックスの作用機序は、主成分のバラシクロビルが小腸で吸収された後に肝臓で必須アミノ酸バリンとアシクロビルに分解され、分解されたアシクロビルはアシクロビル3リン酸にリン酸化されます。 アシクロビル3リン酸は、ヘルペスウイルスのDNAを伸長及び複製させるデオキシグアノシン3リン酸の分子構造が似ています。 その事から増殖時にデオキシグアノシン三リン酸に代わり結合する事でDNAの合成を阻害しヘルペスウイルスの増殖を抑制するDNAポリメラーゼ阻害効果を発揮します。 しかし、DNAポリメラーゼ阻害薬では、感染患者の体内の全てのヘルペスウイルスを死滅させる事が出来ず、1年間に何回も再発を繰り返す感染患者も多くいます。 ヘルペスは再発が多いことが特徴です ヘルペスは、DNAポリメラーゼの働きを阻害するバルトレックスを1日2回、5日~10日程度の継続服用で治療出来ますが、特に性器ヘルペスは治療完了後1年以内に約80%の感染患者が再発しています。 ヘルペスは、現在の抗ウイルス薬では完全に死滅させる事が出来ないので、1度感染すると生涯ヘルペスウイルスを体内に保有する事になり、再発を繰り返す原因となっています。 ヘルペスウイルスは、ウイルスの外膜エンベロープと感染細胞表面膜と融合し侵入後、感染細胞内で増殖プロセスを行い感染細胞から離散する際に感染細胞表面膜を外膜エンベロープとして獲得します。 感染患者の細胞と親和性が高く、特に神経節の細胞と親和性が高いので治療中や免疫システムが正常に機能している健康時には神経節の細胞で潜伏感染してしまいます。 潜伏感染したヘルペスウイルスは、現在の抗ウイルス薬では死滅させることが出来ず、疾患やストレス、治療の中断などにより免疫力や医薬効果が低下した際にウイルスが再活性化され、幾度と無く再発を繰り返す原因となっています。 ヘルペスは、1度感染すると生涯ウイルスを保有する事となり再発を繰り返しますが、1年間に6回以上再発を繰り返す性器ヘルペス感染患者に対して保険適用で再発抑制治療が行なわれています。 再発抑制治療は、1日1回バルトレックス500mg1錠の服用を2カ月間~最長12カ月継続する事で体内のウイルスを約3分の1まで減少させる抗ウイルス効果が得られ、性器ヘルペスの再発が抑制出来ます。 性器ヘルペスと同様に再発を繰り返す口唇ヘルペスは、唇や唇周辺に水疱や潰瘍などの症状が再発するので、水疱や潰瘍などの症状を見え難くする透明なパッチを使用している女性も多くいます。