トリコモナス膣炎は女性に多い性病の一つであり、統計によると日本人女性の5~10%程度がトリコモナスに感染しているというデータもあります。
これは性病としてはとても高い感染率です。

トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫が膣の中に入り込むことが原因で引き起こされます。
原虫といっても正確には虫ではなく微生物の仲間で、肉眼で確認することは出来ません。
原因となるトリコモナス原虫の大きさは0.01~0.025mmほどです。

感染経路は、性行為によって相手の性器の粘膜に接触することで感染するのが最も多いと言われています。
感染力が非常に強く、一回の性行為で感染する確率も高くなっています。
性行為以外では感染者の下着や使用後のタオル、公衆浴場や公衆トイレなどの間接接触でも感染します。

トリコモナス膣炎の主な症状はおりものの変化です。
他の症状としては性器のかゆみや不快感、性器の色が赤くなるなどがあり、時に痛みを感じることもあります。
ところが女性の半分以上が無症状なので、自分がトリコモナス膣炎だという自覚のない人がいます。
基本的には検査を受けて感染を調べなければ、確かな感染は確認出来ません。
知らないうちにトリコモナス膣炎を広げてしまっている可能性もあります。

もし自分がトリコモナス膣炎に感染していた場合は、きちんと治療を受けなければなりません。
治療薬は主にメトロニダゾールという成分のフラジールという薬が使われます。フラジールは処方薬なので、ドラッグストアなどでは購入出来ません。
治療薬フラジールには飲み薬と膣に入れる膣錠がありますが、膣錠を処方される方が多いです。

主な治療薬であるフラジールには、トリコモナス原虫の殺虫効果があります。
フラジールでトリコモナス膣炎の原因となっている原虫を駆除するのが最も効果的な治療となります。
副作用はあまりないタイプの治療薬ですが、食欲不振や胃の不快感、吐き気などの副作用が出ることがあり、下痢や腹痛が起こることもあります。
これらの副作用が続くようであれば医師に相談する必要があります。

トリコモナス膣炎はおりものに変化が現れるのが特徴

トリコモナス膣炎の症状はいくつもありますが、主な症状はおりものの変化です。
トリコモナス膣炎に感染している人のうち、50~60%の人がおりものの量が多くなったと感じています。
下着がとても汚れるようになり、おりものシートをこまめに変えなければいけなくなるほど増えることもあります。

トリコモナス膣炎を発症すると、独特で嫌な臭いのするおりものが出るようになります。
この臭いはトリコモナス膣炎の特徴とも言え、例えるなら魚の腐ったような生臭い臭いがします。
周囲にも分かるほどの強い臭いがすることもあります。
普段のおりものが無臭の人にとって臭いはとても分かりやすい変化なので、気付いた時が婦人科受診の良いタイミングとなり早めの治療開始につながります。

また独特な臭いだけでなく、黄色いような黄緑色のような明らかにおかしな色のおりものが出ます。
色だけでなく泡立ったおりものになることもあります。
これは膣の粘膜で雑菌が増えることが原因です。
おりものの膿性はそれほど高くありませんが、30%前後の割合の人でクリームのような泡状になることがあります。

おりものは細菌が膣を通って体内に侵入してくるのを防ぐ役目を持った大切なもので、膣内を常にきれいに保つ自浄作用があります。
おりものは子宮や膣の健康のバローメーターなので、普段と様子が違うおりものだと感じた場合は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

婦人科を受診して検査をし、トリコモナスに感染していることがはっきりすれば、抗原虫作用のあるフラジールなどの治療薬が処方されます。
一般的に10日間投与され、治療薬の効果が現れればおりものの様子も元に戻りますので、途中で治療をやめずに続けましょう。